体のいい家政婦、結婚制度が遠くない過去にそんな側面を持っていた日本でも、今は恋愛感情重視の結婚となり、封建的な男女役割分担意識の薄れで、この作品のような女性の結婚に反発心があるかと思う。
まして、女性だけを家事労働に縛り付けることからいち早く解放した、その運動の先進国たるHQ産出国から、このようなストーリーが展開されると、戸惑う。歴史ものと承知しているのだがー・・・。
まずヒロインの嫁ぎ先の環境は、愛があっても大変だろう。女っ気が無い=むさ苦しさなどという言葉で誤魔化しきれない、「職場」の共有スペースがゴミ箱のように使われている。
早晩ヒロインが逃げ出さなかったのは、「実家」の方が、もっと居心地悪いから。そして、彼が好きだから。
このベースに、彼に愛を囁く気持ちがない、というのが読んでいて嫌になる。
それに、原先生の描かれる男性は、私には素敵に見えづらい。顔が立体感少ない。カウボーイであるかないか、で許されない。町の女の子たちの反応なるほど、という惹き付ける容姿が欲しい。
お決まりの結末を第二巻では充分にロマンチックにプロセス踏んで盛り上げてくれないと、値上がり敢行したHQのコスパに許せないものを感じそう。
彼がヒロインに心を寄せていくシーン、頼みますよ、という願いにも近い気持ちで、第1巻が終わった。
今2巻目を読み終わったところだが、もうこれは単純に好みの問題で、ルークの目がショボショボしてるように見えて、引き込まれない。漫画の、特にロマンスコミックの、男性の目鼻立ちは最重要で、うっとりしたい私には、なんとなく靄ってる雰囲気で色気が感じられない。全体は収まりがあって、難なく纏まって手堅いのに、人物絵、特に瞳に引き付けられない。
手慣れたタッチで可愛らしい絵なのに、どこか荒い印象もある。
ストーリーは、悪役の悪役然としたところとか、少しずつ彼が女というものを学んでいくところとか、用意されてる構成には見えすいた流れのまま運ばされている感一杯。
弟と未亡人の関係の発展も、きれいな自然さというより、予めそっちに持ってこうとする下心が場面場面にあざとく見えて、鼻白んだ。
涙顔の顔レビというのを選んだのは、ヒロイン一人に家事労働を押し付けられて、安い労働力としか見られていない状況下の、ヒロインの心模様、というつもり。たとえ当人が受け入れて黙々働いているにしても…