コミカルなところがたくさんあって楽しい話です。ワンちゃんも見た目のかわいさを売り物にしがちな子犬じゃないところが素晴らしい。彼の魅力と、その飼い主との交流があって、ストーリーは温かみが深まっていき、情が厚みを持ち始め、今は亡き元の飼い主を巡るエピソードにジンとして、その進行とともにかけがえのない存在となっていく二人。もう、離れられなくなったことを思い知るシーン、ラブストーリーとしてもとても素敵なのですが、パピーを手放すことができなかった、既に「変わってしまっていた」ところが胸に来ます。ワンちゃんの心情を察するに泣きたくなる展開から一気にラストまで、犬を飼うということはどういうことか、結婚生活との類似性が凝縮されていて、言葉の説明よりも遥かに心の交流が説得力出しました。
二人の幸せのみならず、プラス一匹のほんわかした問題解決と将来とが優しく嬉しく、このストーリーに、もう一段別に、家の中にワンちゃんのいる生活の明るさや互いに与え合う微笑みを呼び込んでいます。