大事にしてくれているのは有り難いけど、それではいつまでも進展しない。
彼を誘惑する方法をまず義姉の助言と義姉から入手した大量の本で仕入れて、そして実践することに。
私はHQには求めるものが違うので、ここまでいろいろと露骨な内容だとロマンチックとは思えなくなり、気持ちの盛り上がりやキュン不足でラブ成分の足りないストーリーを見てしまった感じ。
ヒロインアニーの恋する相手ガイがヒロインとの一線を越える気がないところを無理矢理ヒロインが彼を奪って越えた。ビフォアが男性経験ゼロだっただけに、百戦錬磨の彼も驚かされる。
ただ、ヒロインの予想外の良さで、彼の中の彼女のポジションは明らか変わった。
それなのに、そのはずなのに、踏みとどまろうとする。
キスのエピソードは小出しに彼の気持ちを読者に想像させてくれる。その分、山小屋での行動後には特別な化学反応を読者的に期待しがち。
ストーリーについていけなかった部分があるし、HQにしては過激と思う。
好きな人と初めて、は良かったけれど、結末までには、ドラマが物足りなかった。消化試合的な手続きみたいで。
「本当にすまない。こんな間違いを犯すつもりはなかったんだ。」
この成り行きは、HQにはあるある台詞だけれど、好きな人に言われたらやはり泣くだろう。
でも、愛してくれなくてもいいから、という気持ちは片想いの定石、彼の自覚にこのストーリーの行方が定まるのだから、なんとか彼の側の中の変化にもうひとつ何か欲しかった気がしてしまうのだ。
けがも、彼が死んじゃったらおしまいだ、だから、今からすぐにでも、という彼女の行動力は、物語を終始彼女のイニシアチブという形で引っ張り一貫して積極的なのも理解は可能。
彼は押しきられていく役どころ。立場としてそうでなくては、この二人はそうなんなかったなとはわかるものの、それならそれで事後の、彼の登場場面のなかで、キュン場面を補強して欲しかった。