取り返すつもりで乗り込んだ先で、子どもは大切に育てられていた。それを目の当たりにすれば、当初の目的は撤回するしかなかった。
気持ちは最後にまとめ説明。
皆が優しくなった、理解が進んだ、という印象は紙幅の関係で触れてない。仕方ないとは思うが。
読者受けの良い絵で無難に進行する話の流れの中、ヒロインの心情に自然に寄り添えるが、これを相手側視点に置き換えると、経緯がそれなりあっただけに、なおさらヒロインを家に泊まらせる考えになる(変わる)かな、と納得できなくなる。
毒虫の伏線が、砂浜で二人がもつれ込んだ時にはおらず、なぜあとになり?
それはお話だからいいとしても、胎児が心配になる。彼の過剰に見えた心配が通じなかったことになってしまう。
ストーリーは彼サイドの心理は最後にやっと語られる。
しかし、立て続けに双子ものをHQで読み、今更ながら双子の出生率がHQでは高いことを思い返し、そして殆ど揃ってヒロインのお相手が気づかないことに苦笑。
しかも、このストーリーの場合、主要登場人物はもう片割れに会っているのに、なぜそこまで?そういうものなのか?
私自身の経験上、一卵性は両方接触する機会あればそこまで同一視できないはず。
そもそも、同乗者の安否確認は、遺族なら普通に事故当時の状況として知りたがり、子連れ事故の時の重傷の母親のその後を、子どものために聞いておくのでは? 子どもを可愛がる家なら一通りの消息は掴むのでは? 百歩譲っても、事故現場に駆けつける身内のものについて、互いの家族が分からないだろうか?
このストーリーの展開を支えるヒロインの使命感はわかるが、子どもの世話はいきなり現れてすぐに出来るものではないし、子どもは生物の本能として識別する。
わからないことが多い上に、背景コマが余りに少ない気がして、現場に読み手としてトリップできなかった。