他の方々も書いておられるようにロミジュリ物だが、ヒロイン、愛するひとの子を、誰も愛してくれない環境で守り育てる。弱々しく待ってばかりでも運命を嘆いて泣いてばかりでもなく、行動し決断し覚悟もあるタイプで、皇太子妃として最適なキャラ。国のリーダーの妃をやれるタイプだが、いかんせん敵対勢力の娘。
更に、行動力や決断力に優れているのはヒロインばかりではない。
シリーズ最終の話を飾るにふさわしいプリンスにして、勇敢に相手のところに飛び込むことを何度か実行する頼もしい次期国王。
そしてシリーズの他の作品で、彼は、決して軽率に女を追っかけているわけではないことがしっかり描写され、責任感とヒロインへの愛情とを最後まで捨てないで生きるのだ。
だから、愛を貫く、という意味で、このシリーズ最強の難しいロマンスを、「・・・and they lived happijy ever after.」と締め括れれる訳だ。
お伽話のお定まりの結びの言葉、いつまでも幸せにくらしましたとさ、の、「幸せ」の意味の重さがあるので、この決まり文句がこの王子には特にしっくり感じる。
セットで読んだ。
単独ではシリーズ中最も話のスケールが大きい。
他の二作品もサスペンス味が上手く効いている。同一作者なので統一感があって良いが、ほかの、姉妹兄弟リーズを描かれる先生にもよくあることだが、外見はかなり似ている。
ドレスなど絵柄によって王子ものを目で楽しみたいなら、これはそこが美しくに描かれていると思う。
さちみ先生の絵は、華麗な装飾が引き立つ衣装がお得意で、クラシックな感じが王国設定に似合う。
ビジュアル面で手が込んでいる上に、ストーリーも巧みに展開するので、たっぷり堪能した。