「世の中にはあえて自分を不幸にする人間がいる・・・」そんな人を私は知っている。不幸になりたいなら自分個人に限定すればよいものを、波及して周りを巻き込むことに罪悪を感じないことが何よりも厄介だ。夫婦ならば大人同士だからその後の人生を考えられるだろうが子供はどうする?毒親にもピンキリだろうが資産があってそれなりの肩書を持つ毒親からは子供は逃げられない。自立するまでは。ビアンカは努力して勉学に励み、母を見て鎧を身に着け猛烈に仕事に打ち込んできた。それ以外には目もくれずに。そしてマットとの出会いが幸せへの切符となる。彼の自宅の立地がカギとなり、マットの娘リサの行動がビアンカの幸せだった記憶をよみがえらせた。運命の出会いを表すシーンだ。あまりにも鉄の女に仕立てられているビアンカに心を痛めていた私にも、フッと空気の変化を感じる瞬間だった。彼女ほど聡明であるならこの先も幸せな未来を描くことができる素敵な物語だった。