呪いの刺繍とやら、笑えた。厳格な印象を与えるビジュアルで、ひと針ひと刺しに息子の事を想って作り上げたのかと、ギャップがよい、
ブラインドデートならぬ、ブラインド花嫁、原題の方がしっくりくるストーリー。彼視線で展開を、貫徹させたほうがよかったのでは、と思える。ナイスバディ設定も然り。
兎に角絵で損しているところ大きい。登場人物に線が沢山入ってスッキリしない印象。顔も雰囲気も考えることも十代のような感じ。同居生活が生活というよりはフワッと食事とスイーツで片付けられた。
嫉妬も自覚も通り一辺倒で、読み手の私に踏み込んでくる形にはならず、ギャラリーとして目撃しただけでそのシーンがお約束のように入っていたのを確かめただけ、みたいになってしまった。
突拍子もない提案に乗るのが運命(さだめ)のHQでも、その申し出を受けると踏んで読み進めるこちらに、それでも受けた当初の理由を後になって放棄するだけの、根拠が確かな展開を見せつけてくれないと。
いくら突然事情が変わっても、だ。開業はただの憧れだったんですか、それとも、物語の都合で置かれただけのお飾り名目だったんですか、となってしまう。夢だったんではないのか、諦めるのか?、といった当方の戸惑い置き去り。
女性に不慣れな理系男子、ジェイクの心の動きは不自然ではないが、賢い設定なら、恋愛頭でっかち、そこまで間抜けなはずはない。
高い評価が沢山あって気が引けるが、私には、あれ?、と、拍子抜けする早さで読めてしまい、作品としての印象、存在感薄い。
誤植は出版社サイドで世に出す前にしっかり点検して欲しい。
作品のクオリティに無頓着なのかと、読み手のこちらがバカにされた気分になる。