前社長のアシスタントとして優秀という設定のヒロイン ジョアンだけれど、短気で頑なで語彙力に乏しい。出版社勤務なのに…。感情をうまく言葉に出来ず「う~っ」と唸るだけの表現は興醒めです。男性経験が無いからー、という設定なのは分かりますが何とかならなかったのかと残念。それとは逆に、新社長であるヒーロー ホークは、情熱を奥底に感じられ、企業家としてのその手腕をも表現してあり トキメク存在です。だからこそ、彼のトラウマを払拭し、心を開かせる女性としてのヒロインの設定が生きてくるわけで とても良い具合です。女性慣れしたホークは、ジョアンをも 自分の知っている女性たちと同等な扱いを試みるのだけれど、悉く失敗。この押せ押せ な感じは、とてもトキメクし 落ちそうで落ちないジョアンにも、まだかと ため息は出るけど期待値MAX。しかし、そこに少しずつ期待と喜びを蓄えていた ホークの心中の吐露である 小鹿ちゃん(祖父談)には そうだったのか という男性側の目線が見えて 微笑ましかった。そして、背景には チャールズ夫妻という親しい人達の配置もあってジョアンは愛という優しさを知り 深いトラウマで暗くなりそうな物語をサラっとした感触にしているところが あくまでも今の2人の進展を見せることに注意している意図を感じられて、読みやすく気分が良かった。