ヒロインの職業が設定上のお飾りというのは多いが、本作は彼のほう。いくら暇そうでも、彼の会社の社員達は困ったろうと、枝葉末節ながら思う。
愛を取る、の威勢の良さがいいのに、小憎らしいじいさんの軟化が簡単。1コマでなく、両親の変化か、父親の気持ちの推移を視覚化してくれた方が良かった。
身内の誰もが結果的に爺さんの所に居られなくなった訳だから、そこからあとを映す場面か何らか補足がないと物足りない。
いやらしさ全開でヒロインとティミーの人生を変えてストーリー殆どを転がした人間に対し、わだかまりを読み手として残してしまっているため、彼の心の内を見届けたいのだ。言葉でなく、おざなりの改心の「結果」でなく。式への招待云々は普遍的に和解の機会に利用され、そこは納得出来るが、その前の助走が欲しいと感じたのだ。ヒロインからの援助なかりせば弟はこんな目には、の台詞は、偏屈親父の横暴なかりせば、にも通ずるのだから。
婚約者殿の立ち位置不明瞭。うわべの事とは思っていても、何であなたがそこに?とのリアクションは面目なのか、感情からなのか。
元から二人は気に入ってたのを滲ませておくのはいい。しかし、戦いは無情な法廷闘争用の結果を招いており、結果オーライで受け流せるものではない。審判に心から涙したはずで、別離(面会は可能でも、ほんのひととき)を覚悟した時の辛さは、後日幸せあったにしても、その時点では心はどうしようもないほど引き裂かれたはずだ。
子どもがいるから生活を頑張れる、その生きる張り合い、潤い、目的、楽しみ、全てがそこに有ったのだから。
しかも、戦法とはいえ騙された形には違いないのだから。そんな彼へのわだかまり氷解はやはり雑に扱って欲しくない。信頼崩壊の危機にしては彼の苦労を名分に、糸を引いてた冷血じいさんの責任だけに転嫁されたかのよう。乗った方にも責任の一端はある。彼の嘘の問い質しはいずこへ?
二人の気持ちのゆるさも、物語の艶が減った気がする。
親権争いが多い国は、辛い場合あるかもと改めて思った。
日本の父親の金銭以外の貢献の低さは問題だと思ってきたが、母親が育てるものと決めてかかりがちな分、養育を望む「女性」の方に有利なのだろう。
自宅に来た。環境云々指摘された場所を生活の拠点に?親の遺した物を処分せずに済んで良かった。
マタシャームは言及無しで積残し感。
誤字やめて欲しい。