もともと大恋愛ではなくクラスメイトの延長線みたいな関係から付き合い始めた太郎と静花が、お互いの関係や家族との関係に否応なく直面する中で、一生懸命考えて悩んで、泣きながら笑いながら支え合いながら…ゆっくりと愛を深めて互いにかけがえのない存在になっていく姿が素敵でした。家族全員がそれぞれ長所短所を併せ持った魅力的な存在で、人生の挫折を経験しつつも互いを大切にしながら誠実に生きていて、読んでいるほうも温かい幸福感でいっぱいになります。中でも、姫子が静花を想うエピソードにはホロリ。ひとつだけ難を言えば、貴正の恋愛の展開が唐突すぎてちょっと感情移入しづらかったかな。それにしても、如月家の男子は、貴正兄ちゃんも太郎も最高にかっこよくて素敵です(父も!)