ヒロインメルの単刀直入な物言いは 下手をするとスルーしてしまいがちな 相手と自分の関係からもたらされる真意を見逃す事の無いようにという 無礼ととられるかもしれないが 誠意ある行動で、それが出来る彼女に 憧憬を感じた。恐らくヒーローニックも一筋縄ではいかないと腹をくくったことだろう。しかし、嫌われていた従兄弟一家にこき使われていたことを受け入れていた彼女とは どうにもキャラが違い過ぎて腑に落ちない。ここまでの思考と行動が出来るならば、もっと早くに出来たと思うから。そうでないことにもっと説得力が欲しいところだ。いちいちはにかむ様なニックの顔には可愛げのある男性を見て取れるが トキメキ要素にはならなかった。活躍するカッコよさが乏しいから。全てはヒロインがどれだけ素晴らしいかだけに特化した展開が、ロマンスを置いてきぼりにしている気がする。「そうかこれが愛か」とニックが語る時には感激が乏しくて、こんなところで?という違和感が払拭できず困った。また、どうやらシリーズ物のようだけれど、作品情報にはシリーズと記述が無い。こういうことは他にも見受けられて読みたくても探すのに時間がかかって厄介。配慮が欲しい。