娘を愛するいい父親でも、経営者としての力量は無かった。
でも、負け犬の遠吠えのように、窮地に陥っているときは、勝者へ恨みのひとつふたつも持つのも、弱い人間ならあることだろう。
ここで、HQでは冷酷非情な悪役にヒロインの相手が位置することもあったり、助けてやるから俺のものになれと迫ったり、なんていかにもな設定もあったりするが、これはそれを裏切ってくれる。
意外にフェアで、公私混同も踏みとどまり、好感あり。
ただ、インターンとしての仕事が「?」が多くて、大きな組織のトップと一介のインターンの、仕事上の両者のポジションにも、疑問がついて回り、インストラクターや秘書もストーリー展開のために登場した感がする。
彼がヒロインのことを気に入った。
けれどヒロインは、こんなモテそうで世界の違う人とは、と、敬遠、というオーソドックスでシンプルなところを、彼の意外に良いところで読み手のこちらはへぇ~と思わせる、そこの辺りの強調ぶりが、私の琴線とは少し違っていた。
照れたり、笑顔が可愛かったり、ランチデートを無邪気に計画したり、見所はたくさんあるので、もう少し、二人のドキドキや、彼のよさのヒロインの認識変化を、漫画として味わいたかった。
しかし、両親に、彼の良さを力説するところは、このストーリーのメインだと思うし、そこがあってこの物語が締まりがあるので、星はそこを考慮した。