「嘘」が作り出した物語。そもそもヒロインカトリーナは自分のルーツをその目で見に行った。そこで1つの「嘘」を解いていた。同時にヒーローアッシュと出会い恋に落ちたのだ。しかし、そこには「嘘」からの破局が待っていた。子供にとって親という絶対的な存在をキーマンに置くことによって「信頼」のその価値観や度合いの比重を親側に置くことで悲劇に仕立て上げている。仕方のない事のように見えるが、真実はどうなのか 何故かどちらも探求はしていない。特にカトリーナは、養母の「嘘」を見抜いていながら飲み込んだのに、自分の置かれた状況に 自ら行動しなかったことには疑問もある。アッシュ母に対して 別れの真実を 彼の口から聞きたいと懇願したにもかかわらずだ。年月を経て 子供の為に努力し、身を立ててきた彼女のその背景には 願っても手に入れられはしない出世を果たしている状況にはとても酔える。そう在れればどんなに良いかという夢が描かれていて素晴らしいと思う。そして再会。そこへジュリアンという当時の2人の半分にもならない歳の息子に行動させることで「真実」のハピエンへと導いている。息子の存在を知らされなかったアッシュの吐露に「カトリーナを追わなかったことへの罰なのか」という嘆き、ジュリアンの「父親の事を知りたかった」という吐露に私には1番心に刺さり涙した。この物語では1番の悪者がいない。関係する人全てが それぞれの「愛」の為に、その分岐点で選んだ道の運の悪さを呪うべきか。