続編があるとは、長いこと知らなかった。買う前に見える所どこにも前後とも1・2とも出ておらず、「前編」を完結巻と思って読んだ。
今回人気順で読むもの探したらレビューアーさんが前後編と書いていて、なんだそうだったの?と。
以前藤田先生の作品にこの状況と同じで、一見わからないのがあり、レビューアーさん達がそれを知らず、何人か終わり方が酷いと書いていて、これ以上誤解を拡げては誰のためにもならないので、1・2を付けるようお願いして付けて貰った。本編内には出てるから書名に付け足すだけだったので。
これは一巻目も一応落ち着いているから、また小うるさいことを申し立てることないかと思ってはいるが、私は実は、知らずに一巻目の舌足らずを少し咎め立てしてしまっている。
値段が張って、中身の薄いのが多い、がHQコミックの問題点。それなのに、なんだかんだ、一人ずつ作家の作品集のセット売りやテーマ絞りで何度も趣向を変えての同じ作品の多様な収録セット売りをしながら、肝心のセットにして欲しいものが、何故かセット割引にしてくれない、という訳わかんない販売をしている。
コミカライズ担当作家も読み手も、まずい販売の影で泣く。
話は、二人がカップル成立した前編にあたる巻「禁じられた二人」から引き継ぐため、そこからの、ぐるぐる悩みだす二人を描く。親や弟、結婚に至るまで悩まない人は居ないから、それがたまたま、お話の世界はより大きな悩みを象徴的に持ち出して来る。
それは確かに悩むことだろうと、私も読んでいてメイン二人に対するお話の揺さぶりに心痛めたし、それでも、愛が乗り越えるだろうとは思っていたし、心のどこかでHQだから案外?、なんて期待も心のどこかにあって。
家族の存在も良かったし、心配事を巡る暗雲が努めて二人のキャラにより遠ざけられ、沢山の愛が溢れる賑やかな雰囲気も心強く、前の巻の重くて暗い雰囲気を引きずらなかった。
幸せとは懸念皆無ではないのだな、手を取って前を見ることなのだろうな、病気や体の不自由は幸せを妨げるものではないな、と思わせて、力強いメッセージを発散。
絵柄がしっかりしているので安心して眺められ、二人それぞれの心情もたっぷり紙幅取り、脇役達にも存在感あり、母親各々のストーリーの転がし方も楽しい。
BLでないのに、そっちのベッドシーンはHQで初めて見た。書名と中身は合ってない。27頁舌足らず。