ヒロインエレンは、大好きなホートン邸を売りに出す継母に対抗してきた。しかし、交渉相手として現れた眉目秀麗な男性ヒーローマックスに出会い、義妹と比較されるみすぼらしい自分を恥じ、より一層 邸を売ることに反抗するのだった。しかし、女性の扱いには手馴れているように見える彼の手練手管に いとも簡単にエレンはおちた。マックス自身も最初は それだけのつもりだったが、美しく変身した彼女に惹かれていた。ここまではHQあるあるの物語だけれど、ここからは私がトキメイタ部分。彼はエレンに邸を売ることを勧めた。それは、そもそも自分の物にしたかったからだったが、今は違う。継母たちへの恨み、復讐心は捨てろと 彼女を説得しているのだ。酷い人達なのは重々承知。けれど、自分が幸せになればそんなことは些細な事と言えるようになるのだと、彼女たちを許すことが自分の幸せへの1歩だと言い聞かせたのだ。エレンはこの言葉に拒絶するが、想いを変える。そう、愛しているマックスの言葉を信じ、自分を変えるのだと決意したのだ。ここまでの流れが素晴らしく好きだ。このままハピエンに展開するのだが、最もやってはいけない事を織り交ぜてきた。それは、母の所持していた宝石を買い戻すという行為。ルビーのセット1つだけなら良しとしよう、けれど全て見つけるというのはいけない。彼女の決意を無にする行為に思える。それでも、理不尽に奪われた彼女の母の思い出を、その手に還すマックスの優しさに私もジンときた。が、思い出と拘りは違う。それらの宝石たちも、誰かに愛してもらえるのだからと、そういう真意の説得を彼はエレンにしてきたのだから。そして、許しを与えた彼女に必要なのはマックスだけなのだから。