登場人物は多く、彼らはヒロインたちと関わりが深いはずなのに、限られた紙幅の中では出番が少ない。
諜報部員の活躍は、どんな職業より人知れず大きな反対組織との知力体力の戦いがあってカッコいい。
二人の気持ちがはっきり出てきたときの、今しかないといった二人の束の間の逢瀬がシチュエーション萌えする。
危険と隣り合わせの日々、吊り橋効果みたいな性質を持つ諜報活動は、愛する人を生かす為に身体を張って守る覚悟を彼が見せて、単なる恋愛ものよりもスケールが大きくてよい。
だが、命の危険はこれまで幾度もあったろうと思うと、ボスの心臓は今回だけ急に敏感になったというわけではないのに!?白髪増えたと言っているくだりもある。タイトルにある「たわむれ」も、ストーリー展開中の恋人としての演技なのか逸脱しているのかどうか、ということからすれば、全く違うとは言えないが、語感を利用した思わせ振りなタイトルに感じ、読み進めるに従い違和感も膨らんだ。