そう言ったのに、やっぱり目の前の生身の人間の存在は強い。
アマンダも、好きだった人が死んだらもう誰も好きになってはいけないの?と指摘、至極ごもっとも。でも、それを言える子どもはなかなかいないでしょうがー。
頭でどうにもならない感情。好きにならないようにしようと思っているのは、もう引き返せないほど好きになっているとき。何々だから好きになっていいとか好きになってはいけないとか、感情をコントロール出来たらロマンスなんて存在しない。
なんとか憲章という名前のヒロインを悩ませるルール。実社会にも思い当たる節の、存在する事自体がある一部の層に不合理な不利益をもたらすだけの珍ルール。
先日、外国の子どもが自分の住まいの、子どもに禁じられている無用の条例撤廃の活動が、村?の議会を動かして、改正の議決を勝ち取った話がテレビで紹介されていたのを思い出した。
そんなルール必要?、どうしてあるの?、やめたらいいのに、そんな思いは自分の周囲にもあちこちにいくらでもあるけれど、この王女様はそれを変えたい、との意志が、プライスではないけれど私もそこが、ヒロインの魅力を形作っていると思っている。
企業勤めの身の上にも置き換えられるし、日本社会の頑迷な保守性にも通じるところがあるしで、ヒロインの戦いには拍手と声援を送りたい。
そして、それを好ましいと思う彼と巡り会えてハッピーエンド。
HQは、困難を重くせず、むしろあっさり試練を克服するかの、根が明るいストーリーなのが身上。この話も、殊更面倒に話をこんがらせないで(頁数から、仕方の無いこと)、明るい未来を予感させて良かった。
仕事帰りに読み終わって疲れずにしかもハピエンで、いい一息がつけた。
なお、私は男性のシャクレ顎は好みではないため、そこだけは受け付けなかった。83頁の横顔頑張って欲しい。折角の初のお誘いシーンなのに。
また、二人の進展は気持ちの上では判るが、ロバート闖入の時は、乱暴な行動は責められるべきだが、同じ線でプライスが、近すぎて、タッチも多い気はした。
主人公だから許されるのか?
お兄さんも堅いんだか柔らかいんだか分からない人、結果的にはキューピッド。王女の方が動き回っているイメージで押し出すので、微妙な印象だ。
売名行為あるわで立場上男性とは慎重にならざるを得ない王女の恋は、彼の積極性が要と思った。