ヒーローもヒロインも色々と背景が御座なり。何もかも降って湧いたような事象と人物背景に「?」と思うことしきりで困惑した。話の重要点は、90日間偽装結婚をしてというよりはお試し期間の結婚をしてその先を見極めようというもので、ヒロインの家の窮地を救う代わりに、ヒーローの事情も解決してほしいという事なのだが、娘に手を焼いている素振りなど無いのに、いきなり娘登場だし、それらのことを2人が(特にヒロインが)どう感じたか、どう思考したかが書かれておらず、ただ「ガラガラヘビとキスする方がまし」と拒否の感情だけが存在している。特にヒーローは何者なの?と疑問は解消されなかった。全てにおいて、心情描写が皆無なので私としては「ああそうなの」と書かれている事を鵜呑みにするしかない流れで感情移入するところは皆無だった。物語としては、問題提起する視点の置き処に大いに興味をそそられるのだが、その解決方法は水戸黄門的で何かしら得るものなどは無いし、その描写もスッキリとはいかない事後報告。読み初めの部分には、意外な標準的患者なんて表現に興味を持ったが曖昧に自然消滅で残念だ。