ネタバレ・感想ありつるばら つるばらのレビュー

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カタルシス(浄化)の名手、大島弓子
2025年10月16日
人生はままならないもの。
悩みもなく、全ての望みが叶ってうまくいってますという方はまずいないだろう。

大島弓子の漫画では、そんな、ままならない人生で抱える普遍的な悲しみや鬱屈が描かれている。
と言っても暗くはない。
大島弓子はユーモアの達人である。
柔らかい絵とユーモアに包まれて、健やかな明るさを放っている。
だからこそ悲しい。
この漫画の主人公と同じ悲しみを抱えた人が、世の中に沢山いるのが分かるから。

その悲しみが深ければ深いぶん、ラストのカタルシスの解放感がもう半端ないったら。。。
何でこんな事が出来るんだ大島弓子(スゴスギルヨ。。。)

個人的に、萩尾望都と並ぶ天才だと思っています。
(名前を敬称無しに連呼しましたが、大先生です。本当に尊敬していますm(_ _)m;)
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独創的なストーリー
2021年3月28日
雑誌でおすすめされていたので、面白そうだと思って読んでみました。
それぞれ主人公はいろいろと普通(と言われる考え方)とは違った考えを持った人たちです。
ほぼ80年代後半に書かれたお話なので、そういう変わった人に対する扱いも現在とは異なっていますが、人間の根本は変わらないので、話を通していろいろと考えさせられます。
ただ、どの主人公も自分に正直で真っ直ぐなのがすがすがしいし羨ましいです。
短編なので含みのあるラストで終わっているものなどあり、先が読みたいと思いましたが、そういう余韻を残して終わるのもこの作品集ではアリかなとも感じました。
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どの作品も深い…です
ネタバレ
2025年1月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作の他に4編が収められた短編集。「ぼくは夢と現実の区別が子供だった」という継雄のモノローグから始まる物語。夢の中でいつも継雄に語り掛けてくる一人の男性。やがて継雄の中で、自分が夢の中の男性の妻で亡くなってしまった「たよこ」の生まれ変わりであるということが、すとんと落ちてきて納得する。命を絶とうとしたことで前世の記憶を取り戻したのだ。表題作は、LGBTとして生きる少年の一生をSFタッチで描いた作品です。
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愛の形
2015年10月18日
性別、年齢を越えた愛の形が描かれています。ただの甘い恋愛ストーリーではありません。主人公は男性ですが、自分の性別に疑問を持ち悩めます。それを見守る家族の葛藤など、メルヘンなのに重たさもあるお話です。
継雄が不憫・・・
ネタバレ
2019年5月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男性に生まれ変わったが前世での夫をさがしつづける主人公、継雄。最後はサイボーグ化して妻を待ちつづける夫が登場して前世の二人からしたらハッピーエンドとなるわけですが、それじゃあ継雄自身の人生ってなんだろう生まれ変わった意味があるのだろうかと何かやり切れない、切ない気分になりました。
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作家名: 大島弓子
出版社: 白泉社
雑誌: 白泉社文庫