ネタバレ・感想ありロングロングケーキのレビュー

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心に残る作品がいっぱい…
ネタバレ
2025年1月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作の他に6編が収められた短編集。巻頭の宮沢賢治の詩に着想を得た大島先生が描いた詩情溢れる物語「いちょうの実」がいいですね。紙の本でも持っていた本なので、(当時)読んでいるはずなのですが全く印象に残っていませんでしたが、今回再読してみて、文庫に組み直すというか纏める時に収録する順番はかなり考えられて並べられているのかなとか考えてしまいました。というのもひといきに、先生の世界に誘い込まれてしまいましたから。大好きな「秋日子かく語りき」はラストが壮絶なまでに美しく、コミカルでありながら残酷な「山羊の羊の駱駝の」も良かったし、夢と現実が交差するSF的な作品の表題作「ロングロングケーキ」も良かった。夢か現実かあやふやな世界でコタと宇さんはずっと一緒に生きてほしいと思いました。
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短編「山羊の羊の駱駝の」に思うこと
ネタバレ
2023年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 数年か十数年か前に手放してしまった大島弓子の漫画を今どうしても読み返したくなって電子で買いなおしている。この短編集収録の「山羊の羊の駱駝の」、初出は『ASUKA』1988年1月号。壊れた心を抱えたまま成長した少女の行動が、周囲からは奇異な目で見られ理解されず、彼女は次第に暴走する。感情を殺して生きることに慣れてしまって泣くことさえできない。事件になれば周囲は口をそろえて言うだろう、家庭は普通、普通って何?学校ではいたって真面目、真面目って何? 救いはほぼない、かなり重い話。雪の降る場面が静かで悲しい。
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作家名: 大島弓子
出版社: 白泉社
雑誌: 白泉社文庫