ネタバレ・感想あり夏のおわりのト短調のレビュー

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いつまでも愛される名作
ネタバレ
2025年1月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作の他に4篇が収録された短編集。まず表題作について。両親の3年間のアメリカ出張の間叔母の蔦子の家に預けられることになった袂。古い洋館で暮らす一家は叔母の決めた規律で管理されていて……。「理想的な家族」に見えた叔母の家は、実は各人がバラバラで、様々な問題を抱えていた。蔦子は完璧な主婦を演じることで家庭を維持しようとするが、その努力は却って家族の関係を歪め、破滅へと向かわせてしまう。ラストでは蔦子が家に火をつけるという衝撃的な結末が描かれています。先生の繊細な心理描写が光ります。どの作品も面白くて、そして心に残る作品です。
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懐かしさから
ネタバレ
2024年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 綿の国星など沢山の作品で有名な大島先生ですが、中学生?くらいの頃読んだこの『夏の終わりの…』にすごく衝撃を受けて大好きな作家さんになったのを思い出しました。『さようなら女達』も好きだったなーと無料試し読みを読んでみましたが!!!一言一句間違わず暗記していることに気づきました!中学生の柔軟な頭だったからとは言えこんなに鮮明に覚えていられるなんて!と自分を褒めると言うよりはそれだけ人の記憶にも衝撃を与える作品を生み出す方なんだなーと。改めて書籍あさりをしようと準備中です(昔の紙本はもうどうやって無くなったかも分からないので)やっぱり面白いです。言い回しなどは今と違いますが言葉選びの素敵さとか細かな雰囲気とか全て良い。久々に若帰った気持ちで読んでます。綿の国星は既に購入して読了していますが4巻最後のお話以外は全て覚えていました。…中学生の記憶力すごいのかも。いや、やっぱり名作の力ですかね‼️
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ト短調の調べ
2024年6月12日
表題作「夏のおわりのト短調」は月刊LaLaに初めて弓子先生が掲載された印象深い作品。それまでは結婚をハピエンで終わっていたが、この作品で結婚後の狂気を描いていて、初めて読んだとき おおっ!攻めてきたな!と唸ってしまったのを覚えている。時代も変わりつつあったのだろう。こちらでは白泉社文庫でまとめられたものが電子書籍となっているが、元々は白泉社コミックの「綿の国星」に収録されている。その並びがまず「夏のおわりのト短調」からはじまり「綿の国星」はその次に掲載されているという変わり様に弓子先生のかっこよさを感じた。ほんわかした「綿の国星」を取っ掛かりに、大島弓子はそれだけじゃないぞ!もっと奥深い弓子ワールドを感じてくれ~~と暑苦しく語りたい短編集です。
文学的な短編集
2022年10月24日
これはとても良い短編集だと思う。ほんの少しの狂気と禁忌、触れてはいけない他人の秘密、そんなものを上手く小道具として使って少女の心に陰をつくる。大島弓子先生は、可愛らしい絵柄と優しい言葉で心の闇を表現する天才。
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作家名: 大島弓子
出版社: 白泉社
雑誌: LaLa / 白泉社文庫