紙片。運命は、恋人を引き裂くドラマのよくある主役、事故に遭う、ということで二人を残酷に弄ぶ。そしてそれは、記憶の欠落という、更なる試練が、悲しい別離を招いてしまう。滑り落ちて奥へ入り込み記憶の底に沈んだものと歩調を合わせるかのように、その時の彼の意思もまた、まるで無かったことになっていた。
そんなメモ書き、なにかペーパーウェイトになる物でも使うべきだったのよ!とは思うが、それも運命というものなのだろう。そして、出会いの場が場なだけに、再会は意外にそれほど遠い先にならずによかったかもしれない。
でも、これはヒロインも彼も、マリッジステイタスが再会時に妨げとなることはなかった、という結果からみてタイミングにホッとするところだろう。離婚してたからよかった、独身主義だからよかった、というべきところー。
紙片が出て来た頃、なんだやっとだ、と思うのだが、いつ出てくるかなんて、そんなふとした弾みみたいなことは安易に起こったりはしない。たとえそれが永久に出てくる日が来なくても、もう一度ひかれあう二人であるならそれも良しかなとは思う。
それでも、恋に落ちるタイミングもまた重要要素であるため、再会が双方にとって意味を持たなかったらどうしたんだろうか、とは考えてしまう。
それが出てきたから確信にと繋がるけれども、それも全てはタイミング。
記憶喪失もの、思い出せて良かったね、ではあるが、、、。
プレイボーイ、とくるのは何となく説得させられても、金持ち設定にはなかなかそれを裏付けるビジュアルが不足し勝ちだったかと思う。
ヒロイン、元モデルで現デザイナーとしてもっと存在感を持たせて、ヒロインの出てるコマにはその業界人のファッションへのこだわりみたいなものがあると視覚的により楽しめたのではないかと思う。