148ページ。
著者の自伝作品。4コマ形式で、すべて文字まで手書きでほぼフルカラー。文字の間違いはぐちゃぐちゃっと黒く消したまま。
思春期に統合失調と診断されて何年もの精神病院生活を送った著者、病院内や退院後や作業所での出来事は作品内に詳しく描かれていますが、あのような人生を送ってきてこの作品(あくまで読み物の漫画として笑いを忘れない)を描けるということが信じられないくらいで、著者の強さと優しさを尊敬します。私だったら恨みとつらみで鬼になってしまう気がします。そんな経験を、当事者の目線そのままで描かれた作品は、貴重だと思います。
描いた著者にも、世に送り出した出版社の編集さん方にも、拍手をおくります。
また、著者の視点のみなので実際のところはわかりませんが、この作品を読んだ限りでは、親に対してゾッとします。親……著者の入院中は何してたの?退院後も一緒に住まないの?サポートしている様子が全く見えないけど成人式に振袖は着せるの?発達障碍の2次障碍の誘発要因として機能不全家族の存在は大きいと思っているのですが、その気配を感じました。
著者が幸せに暮らして行けることを心から願いますし、おこがましいとは思いますが著者の過去のために涙を流します。
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こちらの内容も収録された『完本 みちくさ日記』が、2023年8月に配信開始されています。