自分の殻に閉じ籠って、周りが見えていない香道家の若師匠倫夫。倫夫を大切に影から見守ってきたヤクザの組長隼人。 幼い頃の約束をひたすら貫く彼の想いは、再会で捻じ曲がった2人の関係を、頑な倫夫の心を、解きほぐしていきます。倫夫の頑なさにはかなりイライラさせられますが、殻を破ってからはとても可愛いらしくなります。住む世界が違う2人の未来ですが、きっと寄り添い続けるだろうと感じる力強さがありました。終始ポイントになる紫陽花と、場面場面に香るお香、北鎌倉のイメージと相まって趣深く感じました。お香を焚きたくなりました。