ネタバレ・感想ありローズ・トリニティ【イラストなし】のレビュー

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貞操観念強い方はご注意。
ネタバレ
2022年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず、よくある最初から円満複数プレイや奪い合い期間を経ての円満複数プレイ作品を期待して購入されると後悔されるので注意です。
ヒーローたちは定番の兄弟や幼馴染ではなく、この作品のヒーロー同士には厳然たる身分差がある故に、ラスト直前までは一方のヒーローがヒロインを独占してしまいます。
しかも、ヒロインは婚約者を人質に無理やり一方のヒーローと契りを交わさせられてしまうという、悲劇から始まるのです。
その後はヒロインの相手への気持ちの変化が現れながら、深い罪悪感に苛まれるようになります。
ヒロインのように同時に複数の人を想う経験があるので、読みながら彼女の罪悪感に同調して涙が溢れました。
登場人物の心理描写がとても巧みで最後のほうまで緊迫感続きますが、ラストはとても温かな心地で読み終えることができました。
特に、一方のヒーローの心の変化が感動的であり、それがヒロインの献身だけでなく、他方のヒーローの影響も受けてのこと、という筋書きが魅力的でした。
多くの複数プレイ作品ではヒロインの心情が軽めに描かれていて読みやすいですが、この作品はかなりリアルな心理描写となっているので、貞操観念が強い方はヒロインの言動に不快感が沸くかもしれません。
個人的にはこれほど感情が揺さぶられたTL小説は初めてだったので、記憶に残る一冊になると感じました。
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