しんどい。専門書以外でこんなに読むのしんどい本あったっけ。
言わずとしれたディストピア小説の名著。
全てが灰色がかった、くすんだ色の世界しか見えてこない。
物が少ないとか、品質が悪いとか、そういったものにはまだ耐えられるかもしれません。
迫害でも戦禍でもない。でも管理体制の下、思想さえも自由がなくなっていき、洗脳状態になっていく。人間のやる気というかエネルギーが徐々に削がれていくのを感じます。気がつくと鉛筆の先みたいに細くなっている。
1番ぞっとしたのは、言葉が減らされていくことでした。辞書からどんどん単語が消されていく。微妙なニュアンスを伝える言葉がなくなっていくのは、つまるところ人間の思考力を奪うことに繋がるわけで。過去の文学も存在しなくなるだろう、と登場人物も言っています。絶望的な気分になりました。
ウィンストンはふと日記を書くことを思いついた。でもその「背徳行為」は破滅しかもたらさなかった。
ブラッドベリの「華氏451度」はまだ救いがあるんですが、こちらは本当にディストピアですね。
名著とは思います。ただ今後パラパラ読みすることはあっても、再読は絶対しないだろうなと思います…。