先に、「魔女と野獣~」を読み、なんか破天荒な設定だけど、時々、読者置いてけぼり? と思うものの、ものすごーく面白かった。終わり方も意味ありげでした。
その「魔女と野獣~」で、この しずくと智之 のことがちらほら出てくるので、いつかは、その作品も読んでみようと思っていたら、都合よく半額になっていたので、この作品と、続編の「王子のキス~」とまとめて購入しました。
絶望的な母子関係や親せき関係から、自分だけが悲劇の深みにいると思っていたしずくが、自我を取り戻して再再出発? を決心するまでのストーリーです。
「王子様は~」「王子の~」で、究極と思えるような共依存の男女を、いちゃもんつける隙のないような文章で描いていくのだと思っています。
しかし、しずくのような子どもは、御曹司のような異母兄弟がいなかったら、社会の底辺に沈んだままなのだろうし、そういう子どものほうが多いはずです。
作品はとても面白く、この作家さんのファンですが、私は、しずくのようなヒロインはキライですし、智之にも、裕貴にも魅力を感じません。裕貴は正直気持ち悪いので、続編「王子の~」を楽しく読もうと思います。
回想シーンと現行シーンが交差する筋立てですが、*** のマークが漏れていると混乱するし、文字の漏れやダブりもあり、校正ミスの多さにちょっとあきれました。