正直、最初は読んでいて、愛という名前が皮肉にすら感じた。でも彼女は、確かにみんなから愛されていた。
それに気づくまで随分遠回りしたが、不器用な家族を最後に繋げたものは愛だと思う。
愛に飢えていたからこそ、相手を心底愛してしまう。
そして空回りした愛の錘が自分に返ってくる。
自分を見て欲しい。尊重して欲しい。理解して欲しい。誰もが感じる思いと向き合ったり無視したり逃げたりしながら、その時代を荒々しくも必死に生きてきたのだと感じた。そして、女であると言う事を、ここまで詳しく生々しく書いた物はないと思う。煌びやかな世界に憧れ、嫉妬や羨望の眼差しに快感を感じ自尊心を満たしていく。そして、女にとって男の存在がどう変化するのか、その中での性の価値とは。若い子たちこそ読んで欲しいと思った。
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