国際基準だの、命の大切さだの、人権だの、あらゆる口実で死刑の廃止を訴える輩が後を絶たない。
しかし、それらの言い分は、見聞きをすればするほど「鹿を指して馬となす」ような内容だ。
おのれ自身の快楽や憂さ晴らし、あるいはカネの為に、罪のない人たちを殺害した残虐非道さは、「死刑は国家の殺人」と批判する以前の問題だ。たとえ犠牲者が一人しかいなかったり、加害者が未成年であったりしても、だ。
被害者によほどの原因があれば、情状酌量の余地がないわけでもない。しかし、そうでなければ、如何なる事情があろうと、罪のない人たちを一方的に貶め、命を奪って良い理由にはならない。
そして、懲役刑にとどまり、刑期を終えて社会に復帰したら、被害者の親族や関係者は余計に辛い思いをするだろう。
この本の中の主張は、まったく同感だ。