ネタバレ・感想あり静電気と、未夜子の無意識。のレビュー

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感情の微細な揺れをすくい取る筆致
ネタバレ
2026年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 美しさゆえに選ぶ側に立ち続けてきた未夜子が、初めて選ばれない側に置かれることで、恋という感情の輪郭がじわじわと浮かび上がってくる

華やかな恋愛遍歴とは裏腹に、彼女の内面にはどこか空洞のような寂しさがあり、その歪さが物語に独特の陰影を与えています
とらえどころのない亘という存在もまた、未夜子の不安定さを映し出す鏡のようで、読み手に明確な答えを与えない
派手な展開に頼らず、感情の微細な揺れをすくい取る筆致は静かだが確かな引力を持っていて👌

決して明るい物語ではないが、その仄暗さこそが心地よく、気づけば深く沈み込んでいく一作
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作家名: 木爾チレン
出版社: 幻冬舎