このレビューはネタバレを含みます▼
確か、高校生の時の読書感想文の課題図書の一つだったと思います。図書館や書店で何度も手に取って、パラパラとめくってはなんとなく気が進まずに戻して、結局読んだのはつい最近。この本を選んだのは、「新訳」の文字に惹かれたのと、文字サイズが小さすぎなくて読みやすいのが理由です。冒頭に主要人物の関係図があるので助かります(これを頭に叩き込んでおかないと、非常に混乱します。キャサリンの娘もキャサリンだし、ヒースクリフとイザベラ・リントンの息子が「リントン・ヒースクリフ」で、苗字だか名前だか分かりにくいです。何故作者はこんな名前にしたのでしょう?)。それにしても、なんと深く激しい愛と憎しみ。「愛憎は表裏一体」と言うけれど、ヒースクリフのキャサリンに寄せる感情の激しさに圧倒されます。キャサリンを愛すれば愛するほど、憎まずにはいられない。憎めば憎むほど、愛さずにはいられない。そして復讐を果たさずにはいられない。最後、死してヒースクリフの魂が解放されたことを祈るばかりです。