遠い異国から日本にやって来た少女と、日本の高校生たちとの交流を描いた青春ミステリ。しばらくは異文化コミュニケーションと、日常の中に潜む謎解きがメインになっています。元は著者の《古典部シリーズ》の作品として書かれていたものだそうなので、そちらと似た雰囲気が感じられるかと思います。終盤に差し掛かるにつれ、少女の母国のきな臭い話が色濃くなっていきます。少女がとても魅力的なキャラクターで、一緒に過ごした時間は短かったけれども、自分も高校生たちと同じく何年経ってもふとした時に彼女の事を心に思い描くのではないかと、それぐらい印象に残る人であり、ストーリーだったなと思います。