このレビューはネタバレを含みます▼
ロードスなどが終わって試行錯誤されてた時期なのかなと思う。このあとグランクレスト戦記で原点回帰して名作を書かれているし。
設定や文章は安定なのだけれど、水野先生作品の重要要素たる主人公の英雄性というか魅力がない。優先順位がブレブレでこだわりのせいで判断が遅れて女性が死ぬのは、まあよい。そのあと似たようなこだわりや意思決定の理由で問題を発生させるダメっぷり、しかも世界の危機になるかもしれないレベルの過失を複数回やる主人公って。母親を助けるために犠牲は問わないみたいな感じも英雄性のカケラもないし。あとは努力を怠らなければできてた的な感じとか。才能あるだけで、ワガママで努力を怠り、ブレブレの価値観で行動するって、魅力に欠ける。
で、流行りのラブコメ?みたいなのを入れて時代に迎合しようとしたのでしょうか。
この当時は迷走してたのかなーと思わせられる作品。ただ、設定や文章はさすがでしっかりしてるので、読めないわけではないけど。