このレビューはネタバレを含みます▼
中編が2作納めらた1冊。両作に共通するのは、幸せの中に潜む悲哀。
グロテスクな表現はあるものの、物語の悲しい結末がホラー小説であることを忘れさる。
全編に散りばめられた不穏な空気が、ラストに待ち受ける悲劇を予感させる。
『白い部屋で月の歌を』
霊媒として、霊能者である女性の、除霊の補助する障害を持つ主人公ジュン。ある少女の生霊との出会いが、主人公の日常を乱していく。運命に必死に抗う主人公を待ち受ける残酷な結末。
『鉄柱』
職場での不倫が原因で、田舎の営業所に左遷される主人公。暖かく迎えてくれる村人たちに、主人公も妻も徐々に馴染んでいくが、村の高台にそびえ立つ『鉄柱』が不気味な存在感を放ち、主人公と妻に関わってくる。