ネタバレ・感想あり龍盤七朝 DRAGONBUSTERのレビュー

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流動性の罠
2023年6月20日
下賤の出の男と高貴な生まれの女。身分も性格も嗜好も性別も異なる、決して関わり合うはずもなかった二人は、ただ剣という一つのもので繋がりあった。動き出した運命は止まらない。息を呑むような美しく猛々しい光を放つ二つの剣は、誰も見たことのない新たな世界を切り開く。
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本格中華ファンタジーカンフーアクション?
2017年8月11日
凄まじい筆力にまず圧倒されるのが秋山作品の醍醐味ですが、その中でもこれは郡を抜いて素晴らしいです。
主観に置いたキャラに応じて文体が変わるのは当然としても、健気で奔放な少女になったかと思えば、時代小説でもここまでやるかよという程渋い老人にもなります。一体ライトノベル読者のどの層を狙っているのか、商業的には完全にアウトな、作者の趣味全開の作品ですが、私にはもうドストライクでした。
書き出しがその老人視点なので、あまりのいかつさにそっ閉じする人も多いだろうことが、なんとも勿体ない話です。
どのページを見ても美しい文章ですが、特にアクションシーンの格好良さといったら……ッ!!文章のリズムの良さとスピード感は読んでいて清々しく、まるでカンフー映画でも視ているかのような爽快感を得られます。
ストーリー自体は、能ある鷹は爪を隠すを体現する主人公が、ヒロインにかき回されてつい爪をだしてしまい、周りの実力者が段々とそれに気付いていく……というようなラノベの王道ジャンルです。それをここまで尖った作品にするところが、秋山先生の持ち味でしょう。
読書はするけどラノベを読んだことがないという人に薦める本の1つです。皆でたくさん買って、何がなんでも完結させてくれというプレッシャーを掛けていきましょう(笑
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作家名: 秋山瑞人 / 藤城陽
出版社: KADOKAWA
雑誌: 電撃文庫