最初の本だけ、なぜか「殺しの四人」となっているので、読んでいるうちに、7冊合本のトップタイトルが「殺しの四人」なのか? と勘違いしそうになりました。梅安が仕掛人の闇に入ったとっかかりとその後の顛末 (彦次郎と初のコラボ仕掛らしい) を描いているので、最初の出版のタイトルに「殺しの四人」を選んだのか・・、その後、作者自身のあとがきで、意外に人気がでてきて続編をどんどん書くことになったそうなので、「仕掛人・藤枝梅安」という正式? タイトルに落ち着いたのでは・・と思っています。
長編になると、その仕掛の起りから、蔓となる元締は今回だれなの? という面白さとか、一つの依頼を仕上げても、そこからまた別の恨みつらみが始まったりして、本当にあきない面白さでした。彦次郎と梅安があうんの呼吸で仕掛の相方同士になっていくのも、お互いに相手を気遣っている描写も、梅安の居宅をとりまく近所の人たちもいきいきとしているのも、ゆっくりとした筆致で、風景の移り変わりを織り交ぜながら、読ませる小説だと思います。
小杉が登場してからさらに人との関わりあいが深まりますが、7冊目はあまりに序盤がゆっくりしすぎていて、いよいよしのぎの削り合い・・の目前で絶筆になっていて、本当に残念です。
★をマイナス1にしたのは、第7冊目に、「梅安余話」などが含まれていなかったから。(読みたかったので、7冊めをアマゾンキンドルで購入しました)