前作を読まずに、先にこちらを読みましたが、ところどころ、どうしてそこまで? と思うシーンもあり、前作2作が半額になっていたので、「王子様は~」「王子の~」を後から読んでみました。やはり2作品を読んでおいたほうが、この「毒林檎」編の深みや面白さがよく分かると思いました。
強気で勝ち気で潔さのある (たぶん前科を反省している) ヒロインのキャラがとてもよかった。薄幸を嘆きけなげ というヒロインに食飽気味なので。ヒーローも片意地はっていますが、もう落ちているのが分かる結末です。
前作2作品では、王子様を待つお姫様の立ち位置のしずくに対して、さまざまに苦しめる魔女たちがかなり多くいますが、魔女というより悪女? ひねりのあるタイトルやストーリーは3部作でブレることなく、うまいこと落着するのでさすがの作品です。
美月は、いろいろ毒林檎をまいたり隠したりぶつけたりして、しずくを苦しめる魔女から、ついに自分にとっての本当の相手と想い合って、いよいよ王子を見つけたヒロイン (お姫様) になるのですが、これまた一筋縄ではいかず、くじけそうになるものの、発想転換して一念発起。小気味いい、エンディングでした。
ただ、ストーリーには影響なくても、校正ミス (文字のもれ、重複、句読点の誤り) が多数あり、残念でした。