主人公、お島のかなり破天荒な半生の物語です。アラフィフになってから初めて読んだせいか、お島の言動に母親(いや、もしかして祖母?)のようにハラハラ・やきもきしながら読んでしまいました。表現に独特のクセがある文章で、ちょっと読みにくさを感じる時もありましたが、話がテンポ良く進むので結局最後まで読み終えました。タイトル通り確かに気性が荒く、非常に我が強い主人公は、読む人によって好き嫌いが分かれるかもしれませんね。また、先に書いたように独特な表現が多く(「お守り札やお札を『こてこて』受ける」とか「『ぼくぼく』した下駄」、「『ぞべらぞべらした』日本服」とか←「ぞべらぞべら」って何やねん!笑!)、読みながらツッコみたくなることもしばしば(笑)。そういうところが、良くも悪くもこの作家の個性なのでしょう。この作品は徳田秋声の代表作なので、入門編としてはおすすめです。