ネタバレ・感想あり合本 ダブル・ファンタジー【文春e-Books】のレビュー

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同じことをしていても、違う世界にいる
2024年1月26日
性について赤裸々に描かれていながら、恋愛における男女の心情の差異が見事に描かれていて深い作品でした。人物が非常に立体的でリアリティがあり、ああこういう人現実にいそうだなと思わされます。特に女性が描いているにも関わらず、中高年の親父の言葉遣いや所作振る舞いが何の違和感も無いところに、凄まじい力量を感じました。タイトルがどういう意味なのか、ずっとわかりませんでしたが、最後まで読んで納得です。男と女はどんなにそばにいて同じことをしていても、全く別のことを考えているものなんですね。有無を言わせぬ描写力で、終始圧倒されるような読者体験を堪能しました。
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率直に書くとこうなの?
ネタバレ
2023年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 村山さんの小説の中では有名な作品です。
脚本家の奈津子が先輩作家に「お前は男だ!」と喝破されます。
本当にそう感じる主人公の振る舞いと欲望に驚きました。

フェミニズムが専門の上野先生が以前、「女性は男性目線に感化されて影響されているため、男性が喜ぶような姿に成りたい文化的な傾向がある。」と書かれていました。

しかし、奈津子の願望など・・・真に迫り過ぎているように。

でも、文化的な性の装置ってやはりあるのかなと思わせる作品です。

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作家名: 村山由佳
出版社: 文藝春秋
雑誌: 文春e-Books