アイスランドを舞台にした警察ミステリです。
内容がとても悲惨で救いようがない犯罪を扱っていますが、読後感は不思議と悪くありません。
それが一番不思議かもしれません。
不慮の犯罪に巻き込まれた被害者(殺害された被害者という意味ではなく)達が読者にとって身近に感じられる、尊厳のある人間として描かれているためなのかなとも感じます。
ままならなくても自分の人生を精一杯生きていると思えるし、暴力や犯罪があってもささやかな幸せを大事にしていると感じられるので絶望よりは儚い希望がしっかり胸に残ります。
名前の響きが日本語と異なるのでややこしいかもしれませんが、それでも読む価値があります。