ラプンツェルのようなお話。
今までたくさんのTL小説を読んできましたが、トップレベルの不遇の人生です。“不遇”という言葉で終わらせるのもためらうほど、最初の数頁を読むだけでヒロインの孤独に心が痛みました。でも、ヒロインは生まれた時からそれが当たり前で……。
ヒーローの傲慢さや判断能力のなさは王の器ではないし1人の男としても最低だと思います。ですが人違いでヒロインに無体を働くという最悪の出会いすら、ヒロインにとっては奇跡のような救いの手だったのだと容易に想像できます。
母親は双子を産んだだけで華やかな人生を奪われ、人間としての尊厳を奪われ、その絶望たるやヒロイン以上に不幸だったのかもしれないですね。