言わずと知れた名作ですが、マツダミノル『兄だったモノ』(GANMA!連載の漫画)を読まれる方は、改めてこちらも読んではいかがでしょうか。青空文庫なので無料です。
主だった三人のそれぞれの言い分、状況は大きく食い違い、誰か一人が本当の事実を述べているのかもしれないし、三人とも嘘をついているのかもしれない。最も事実を述べていそうなのは殺された男の霊ではあるが、そもそも巫女の霊能力が本当のものとも限らない。
実際に起きた「事実」は藪の中、それぞれがそれぞれの見栄と利害と「そうあってほしい」ことを好き勝手に述べているように思えます。ひとつの事柄を多方面から見たそれぞれの真実……よりも更に、意図的なで利己的な偽証だらけなのが確実、という、人の醜い意思が藪となった、イヤ〜な話。
名作!