このレビューはネタバレを含みます▼
江戸の遊郭の世界を思わせる世界観と為政者が神になるという変わった世界観の設定。
下界は江戸時代のようで、それが、神仙となる上界と交わり、そして、下界の遊郭を参考に役人達をもてなす上界の遊郭。やっていることは、下界の遊女と変わらないけど、相手が官吏や仙など位が高いから、プライドの高い上界の遊郭の姫達。寿命も人間より伸びて仙となるという面白い世界観。
そんな上界の遊郭にヒロインが下界の遊郭から移って半年で密命を帯びたヒーローが現れる。そして、強引な野性味溢れるヒーローの雄ぶりに翻弄されていくヒロイン。プロだったはずなのに、ヒーロー相手では、翻弄されるばかりで、プロではなく、一人の女になってしまうヒロインが可愛い。
そして、ヒロインの知らぬところで、ヒーローの密命が進み、ピンチに陥る二人。しかし、それもヒーローの思惑通りだったが、ヒロインが追いかけてくることだけは予想外。ケガをしながらも、愛し合うことをやめられない二人。しかし、蜜宮の陰謀と闇が暴かれる時、ヒーローが密命のために、自分を抱いたのだと知り、ショックを受けるヒロイン。しかし、そこでヒーローからのストレートな発言があり、両想いが確認されて、晴れてハッピーエンド。
プロの女として生きてきたヒロインが、ヒーローと出会い一人のただの女となり、添い遂げることに。
千年の治世で平和で理想的な国のはずなのに、あらゆるところに病んでしまった部分があり、見た目程には天国ではない国の現実。権力を持つものは腐敗し、下の人間達は苦しむ現実。ヒロインも苦しい家の為に売られたという、まさに江戸時代の日本の遊郭の世界観。しかし、男性に身を売ることを悲観せずに努力した結果、上界へと登り詰め、蜜姫にまでなれたがんばり屋のヒロイン。その前向きな生き方が嫉妬心や憧れ心を持たせ、事件に巻き込まれていくことに。どちらも、プロといえるほどに、男女の秘め事にこなれた二人だったが、運命の相手であるお互いは今までとは違い夢中になってのめりこんでしまう。プロとこなれすぎたゆえに、どちらも、互いの過去に嫉妬をしないところがさっぱりした恋愛観。