このレビューはネタバレを含みます▼
文章の表現がいいのか、いん靡で幻想的で美しい世界観。
重い過去を背負いながらも、記憶をなくしたままのヒロイン。高級娼婦として生きるも、芸を披露するだけで、その体は清いまま。
姉の婚約した年になって初めて、キスを教えられる。そこからは、仮面の男性は、手を最後までは出さないことを繰り返す。
その後、侯爵の養女となったヒロインの前に、ヒーローが素顔で現れるも、身分を偽ったまま。
身分を偽ったままに、ヒロインを妻として扱い、自分に従順な体になるように仕込む。
仮面の男性を愛してるはずなのに、ヒーローに従順に反応し、愛してしまう自分を心底娼婦と思い、落ち込むヒロイン。そんなヒロインに更なるショックが。やっと権力を得たヒーローが、本当の身分をヒロインに明かし、大公妃になるようにと言われる。
しかし、それは、さらなる混乱をヒロインにもたらし、ヒロインは隠されていた過去を徐々に思い出していく。その過程で、記憶の混乱が度々おき、姉の墓参りで全てを思い出したヒロイン。
そして、ヒーローが愛しているのは、姉であり、姉によく似た年になったから、自分に手を出し始めたと思い、ヒーローに詰め寄る。ヒーローは、ヒロインだけを愛していると証明するために、姉の形見の懐中時計を壊す。そして、思いをぶつけるようにヒロインを抱く。そこで、ヒロインはヒーローの愛を信じてハッピーエンド。なんだけど、ヒーローの口から一度も、ヒロイン姉に対する思いを聞いてないし、ヒロインが姉にそっくりになってから、手を出したのも事実だし、それが、ヒーローが権力を手に入れられる直前だったという偶然なのか、やっぱり、ヒロイン姉にそっくりになってからなのか、描かれてなくて、なんとも、すっきりしないおわり。
ヒロインとヒロイン姉の違いって、髪の毛の色位で、あとは、年々とそっくりになっていったわけだし。ヒーローが、ヒロイン姉をどう思っていたのか、家の決められた婚約者で大切にしてただけなのか、本当に愛していたけど、年月とともに、ヒロインを守っていくうちに、ヒロインへも愛が芽生えて、独占するために閉じ込めていたのか。ヒロインだけを愛していると、強調してたけど、ならば、そっくりなヒロイン姉のことはなぜあいしてなかったのか、不思議だし。恋愛の感情って、惹かれるのに、外見もすごく重要だと思う。性愛で表現するのではなくて違う表現が良かった。