不満部分が多くあるにもかかわらず面白い。
最初の巻あたりは、悪く言うとNPCがウザく感じるし、
主人公の人柄も良し悪しで、穏やかというか冷静に観に徹しているかと思えば、いきなりガチギレするような扱いが難しいところがある。まあキレさせるような事をしなければいいのだけれど、厚かましいムーブされた段階でなんかしろと…。嫌がられた呼び方を十巻ほど跨いで再びした、という類いの粗は珍しくもない。ちなみに、途中で心の中で一度呼んでた時は作者忘れてんなと思ったし、呼ばれた相手が普通のリアクションでも、読者から見た主人公の微妙さは変わらないだろう。
そんな風に主人公=作者という図式が見えやすい作品でもある。
グダってきたら、話を強引にぶった切って次の話に行くような、文学観的にはそれどうなの?という部分もあるし。
良い点としては、主人公の創意工夫や地道さが大部分を占めていて、そこは強い。付随して他プレイヤーは成功例があるのに、武具方面の動きがまったく無いなど、結局悪い所も見えるのだけれど系統的にはよくある話。先述の話ぶった切りはダレていたので完成度面はともかく、次に早く行くことで自分も読み続けられた。あとは「義」も良いかも。しかし、他の出版社ならそうした粗は無くなったのではと思ったり、よう知らんけど。