☆5よりの☆4です!!
読んで良かった1冊。何度か読み返してます。
記憶喪失が出てくると敬遠したくなるのですが、このお話はよくできてますね。
記憶喪失前と後で勝倉の人格が変わっています。
が、親しい友人からすれば、もともと記憶喪失前もこんな性格だったよ、と。
相馬は最初は自分の都合のために記憶喪失前の勝倉に戻したいと思う部分が強かったです。
冒頭の相馬は嫌な感じなんですよ。
でも、相馬も勝倉と付き合う前はこうじゃなかった。
今の相馬の女王様ぶりは、勝倉が自分に依存するように尽くし続けた結果です。
相馬はとにかく勝倉を戻すべく奮闘する中で、記憶喪失前のというよりは本当の勝倉を知っていくようになります。
今まで当たり前だったことが覆ったことで改めて相手も、自分をも見直すことになった相馬。
途中で辛い描写もありましたが、記憶喪失後の勝倉とも想いを通わせたときはジーンときました。
ちょこちょこ勝倉が相馬を気にしていたり、キュンもあります。
そして記憶が戻った勝倉は、逆に相馬の人格が変わった(戻った)!とばかりに驚きます。
でも、表面的に見えている顔はそのときそのときや相手によっても使い分けたり違く見えることもあるけど、結局人格というかその人自身は変わらないのよね。
お互い極端に表面に現れていた部分が取り去られ、少しずつですが自然な形でこれからは寄り添って行けるのかな、と思いました。
勝倉が相馬のことをいろいろ考えているというかとがわかったり、相馬も実は勝倉のことをちゃんと好きだと向き合えたり、きっかけは記憶喪失ですが美しく収まり満足できました。
読後感は小さな感動。面白かったです!