水戸公門張りの完全懲悪ものですが、主人公の俊平が、藩主でありながら
風流人で然も、江戸柳生の総帥として、剣術の腕も抜群で、さらに、
女性にモテモテで半分以上、コノヤローと思いますが、読み進めると
心からホッとする、この時代にピッタリの作品でした。
この頃のニュースでは、本来の国としての大事なことを国民に隠すように
些細な重箱の隅をつくどうでもいいことや、机上の空論ばかりの建前を、いかにも
正論であるかのような観点の報道ばかりが報じられ鬱々としていましたが、
ホッとさせられました。
購読して損はない、時代劇小説でした。