最初は何となく読んでいましたが、途中からものすごくグイグイと引き込まれて一気に読んでしまいました。攻めの橋口の不器用さ、男らしさがたまりません。朴訥な美声キャラって良いですね！好みの低音声優の声を当てて読んでいました(笑)。未知也と橋口は元カレの失踪を追っている途中から深い仲になっていくのですが、だんだん惹かれていく過程が丁寧に描かれていてグッドでした。この作品に関してはそれだけで満足したのですが、ちょっとストーリーが荒い感じはします。「ノンケの男がなぜゲイにそんなに惹かれるの？」っていうのがよくわからない。結局身体の関係になっちゃって何となく…というふうに見えるのが腐女子の妄想的で、途中から一気にリアリティがなくなってしまうところが惜しかった。身体の相性が良いだけで他のことがどうでも良くなるほど好きになるものかしら？急に未知也になびいてくるところが、都合の良い展開に感じられます。あとクズの元彼の結末は納得いかない感じなので、全体的にストーリーの畳み方は良くなかったかな…。元カレを追いかけるエピソードを短くしてでも、橋口が未知也に惹かれるエピソードが欲しかったです。それと主人公が克服すべき課題は解消されたのかな？そのあたりが有耶無耶になってしまった気がします。後半につれてエロ描写が増えてきて、強引に結末に持っていってしまったような印象。良くない意味で作者の「甘さ」が感じられる作品でした。でも、読後は悪くないので読んで良かったです。
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