このレビューはネタバレを含みます▼
誰も悪くないのに悲しい物語。
年の差カップルな上に、ヒーローの家は名家で、伝統ある家柄。ヒーローは次男で家業に関わっていないから、気楽とはいえ、まだ学生のヒロインが結婚を決めたことに、周りは早すぎると不安があったものの、本人達の強い気持ちもあって、半年後に結婚と決まった中で、両家の顔合わせ。その夜に初めて結ばれた二人。ヒーローの年齢やそれまでの恋愛遍歴からすれば、キスだけで数ヶ月きたのは、ヒロインが思うように、大切にしてきたからだろう。
しかし、翌日に友人達とのツーリングで記憶障害になってしまうヒーロー。ヒーローの異変に最初に気づいたのはヒロインで、ヒロインの提案で病院へ。そして、ヒーローが新しい記憶を１日しか覚えていられないことが判明。翌日には記憶がまっさらになっしまうヒーローとの結婚を反対されるも、二人の強い希望でとりあえず一緒に住んでみることに。
ヒーローの仕事にもヒロインがサポートに入ることになるが、ヒーローの妄想が加速していく。ヒロインへの気持ちと強い不安から、周りの全ての男性達がヒロインを狙っている、ちょっとでも自分の知らない時間があると、ヒロインが浮気したのではと、猜疑心に溢れ、ヒロインを性的に虐めるように。
その行為は日に日に変態的な行為へと向かい、とうとう、決定的なことが。心折れたヒロインが実家に帰省中に、両家の親で話し合いがあり、ヒーローもヒロインの悲しい顔を見てられないとなり、別れを選択。そして、最後に優しく抱き合う二人。それから、二年の歳月が流れ、障害をオープンにしながらも、活躍しているヒーローの姿を見て辛くなるヒロイン。まだヒーローを忘れていない姿を見て、ヒロイン母の後押しがあり、ヒーローが今も自分を思っていて、赦しを請おうとしているとわかり、会いに行くことに。そして、互いにお互いを忘れていないことを確認し、やり直すことに。ヒロインへのヤンデレな妄執を作品で昇華したヒーロー。強い感情の出来事は覚えているほどに回復したヒーロー。しかし、毎朝、子供を忘れてしまう父親に子供はどう向き合うのだろうかと、ヒロイン母の心配が頭に過る。
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