価格に対してページ数は少なめ(P127)でしたが、内容が濃いので物足りなさは一切感じませんでした。戦国の世界観も主役二人が通わせる繊細な気持ちの襞も、余すところなく語りつくされていて唸らされます。戦国武将なのでキャラクターが男らしいのも良かったです。攻めの台詞や仕草には思わずきゅんとしてしまうところがあり、受けにも感情移入がしっかりできました。完全シリアスと思いきや意外にコミカルなシーンもあり、それも良かったです。何作か読ませていただきましたが、丸木先生は「男の可愛げ」を描くのが非常にお上手だと思います。男性性の塊のような人物が見せる涙やいじらしさ、健気さの見せ方が見事です。